歯科医師の歯科医師による歯科医師のためのブログ

歯科医院過剰問題、そして国家試験の合格率の大幅な減少、金銀パラジウム合金の異様なまでの高騰、その他様々な問題が歯科業界で起きている。この問題を乗り越え精神的にも経済的にも豊かになるためには我々は何を目指し、何を頑張れば良いのか。歯科業界の全体の発展とともに患者様の健康促進に努めていきたい

研修医先や、その後の就職先はどうすべきか

歯科医師国家試験合格おめでとうございます!

これから歯科医師として働いていく

学生時代と違って何をするかは良くも悪くも自分次第

職場選びも選択肢は無数にあります

 

そこで今回は職場選びについて経験談を踏まえて話していきます

 

 

 ⑴研修医になったら研修先はどうするの??

まず研修先ですが大きな違いはどこもないと思います

僕も研修医の頃は非常に迷いました

何科にするのか、どこの大学にいくのか、などなど!

 

意識の高い系の人?は母校より偏差値の高い大学に研修先として選んだり、俺は口腔外科だ!とドヤ顔で言う人もいましたが、別にどこの大学に行こうがどこの科に所属しようが、自分の価値が上がるわけでもなく肩書きの見栄えを良くしたところで、誰が見るわけでもなしあまり意味はありません

 

僕はぶっちゃけると引越ししたりするのがめんどくさかったので通っていた大学でそのまま研修医になりました

補綴科にいきましたが、ずっと永遠にバキューム、診療補助をしていました

(補綴科を選んだのも特に理由はなかった汗)

医局のゴミ集めや掃除をして、たまに技工室でワックスアップしていました。そして教授の授業についていき学生の出欠をとり、待合室の案内係などをしていました。

そこでは上の先生が帰るまで帰れない体育会系の雰囲気が漂っていたので、そこは自分としてはなかなか慣れないところではありました。(友達の歯周病科は毎日定時には帰りホワイトでいいなあ。と思ってました)

 

そんな1年間でしたがはっきり言って、どこの科にいても手技的に得られるものはさほど変わらないと思います。

保存科にいって抜髄をちょっとやらせてもらったり、インプラント科にいってちょびっと埋入させてもらおうが、口腔外科にいって水平埋伏をちょびっとやらせてもらおうが関係ありません

そんなちょこっとやって体得できるようなものではないのです

のちに勤務医になれば、もう勘弁してくれと言わんばかりに治療することになります

 

大事なのは2年目。研修医を修了してからがとにかく差がつきます

 

⑵研修医を修了した後、大学or勤務医どっちに行く??

まず大学に残るのか?それとも大学を出て勤務医になるのか?

ここがとても大きいと思います!

 

僕なりにそれぞれのメリット、デメリットをまとめました

 

大学に残る

メリット

  • 同期がいるし飲みに行ける。楽しい
  • 専門の分野のみの治療だけ行うので日常困ることが少ない(総合診療科は除く)
  • 大学で人間関係を構築しておけばその後困った時に助けてもらえる
  • 研究したり論文を読むことで専門分野に特化して勉強することができる

デメリット

  • 最終的なゴールが開業医なのであれば、近道とは言い難い
  • 学祭や行事ごとで時間をとられる
  • よくも悪くも人が多いので環境に流される
  • セミナーなどの研修は基本自腹

 

⑵大学を出て、勤務医になる

メリット

  • 様々な治療を経験できるので手は動くようになる
  • 給料が高い医院もある(しかし勉強にはならないところが多い
  • 衛生士さんや助手さんと接して女性社会に慣れる(というか慣れないとやってられない
  • スタディグループに所属して他の開業医の院長とも交流を持つことができる
  • 診療以外は割と自由なので自己研鑽に励む時間が多い
  • セミナー費用は病院持ちのところもある

デメリット

  • 新卒で入社した時は何も知識もなければ、技術もないのでスタッフから陰口を言われたりと大学と比べて精神的に追い込まれることが多い
  • 開業医は当たりはずれがとにかく大きい。診療させてくれるところ、させてくれないところ。給与が高いところ、低いところなどピンキリ

 

僕は研修医の時に大学での時間は本当に無駄が多いと思いました。

せっかく難しい国家試験を現役で合格して、いざ一人前の歯科医師を目指そうという時に大学の学祭の出し物の準備だったりとか、学生の実習の手伝いとか、先輩ドクターと一緒に喫煙所に行くとか、何の意味があるのかと思ってました。

他人の人生を生きて、自分の人生を生きていないことが嫌でした

 

早く一人前になるためには開業医しかないと考えた僕は、給料こそ非常に少ないが診療は基本担当制で治療計画から治療をするのも全て自分で行えること、開業医のスタディグループに所属することができること、経営やスタッフマネジメント、患者さんに対するカウンセリング、コンサルまで含めた普遍的な情報が得られる開業医にて勤務することにしました。

最初は何もできることがありませんでしたが、診療後に必死に練習したり院長がマイクロスコープを使ったりしてわかりやすくおしえてくる。毎日の診療で行ったミスや改善点を日報としてまとめファイリングすることでできることも増えた。時には患者さんにクレームをつけられ、院長に報告し、そして怒鳴られることもあったが、それもいい経験になったことは間違いないと思っています。

 

大学に残るのも勤務医になるのもどちらが正解とは甲乙つけがたいです

しかしながら一つ言えることは、自分がどうなりたいかを明確にし、そのためには何をすればいいのかを考えた上で行動することが最も大事であると思います

 

⑶今後効率よく自動で成長するためには

        「門前の小僧習わぬ経を読む」

f:id:m2at4oi:20200405181405j:plain

門前の小僧習わぬ経を読む

これはお寺の前に住んでいる子供は特に勉強したわけでもないのに自然と聞こえてくるお経を覚えてしまって暗唱できるようになる、という意味です

 

これから頑張るぞ!!と思って個人的に頑張って何かを身につけるよりも、この小僧のように何となくいつの間にか身についているスタイルの方が確実に効率よく自動で成長できます。

 

人間の脳はどんな人でも変化を嫌うようにできています。

個人的な意思ではなかなか変化を受け入れず拒絶してしまいます。

しかし個人の力ではなく、環境の力であれば簡単に変化を乗り越えることができるのです

 

とにかく最初は休みや給与などは考えずに、まずは自分が自動で成長できそうな知名度のある病院に勤めてみるのもいいかなと思います